境界のないコンピュータ

コンピュータを構成するデバイス部品(CPU/メモリ、ストレージ、アクセラレータなど)をばらばらにプールし、管理ソフトを用いてユーザの要求する機能、性能を実現するように組合わせられる柔軟なプラットフォー ムです。デバイスをシェアできるため、クラウドデータセンターにGPUやFPGAアクセラレータを用いたHPCを安価に実現できます。

計算機システムの動的再構成による計算資源利用率の向上に関する研究

近年、自然科学のシミュレーション、SNSから得られる大量の非構造データ解析など、高性能計算機の必要性・重要性がますます高まる傾向にあります。同時にこれらの高性能計算を実行するシステム構成は、プロセッサ資源に加え、演算加速器資源についても多様化する傾向にあります。そのため、今日の計算機センターでは、様々な計算資源要求に対応し、システム構成を変更・設定する柔軟性が求められています。

資源要求に対して動的再構成可能な計算機システムの提案

本研究では、ユーザの計算資源要求に呼応し、ノードに搭載するGPU数を変更する計算機システムを提案し、計算資源の動的再構成に対応可能なシミュレータを開発した。
提案システムでは、ノードに搭載するGPU数を変更するため基盤技術として、GPU 等の計算資源の接続構成を可変にする仮想化技術ExpEtherを用いる。提案システムは、ノードからGPU を動的に分離、接続する再構成可能資源集約モジュールと、ジョブスクリプトに記述された計算資源要求を抽出し、再構成可能資源集約モジュールに構成変更を依頼するジョブ計算資源連携モジュールからなる。以上の2 モジュールの連携に基づく計算機システムの動的再構成に対応させた計算資源割り当てシミュレーションが可能となるよう、既存のジョブスケジューリングシミュレータを拡張した。

動的再構成可能な計算機システム:HPC-IaaS

動的再構成可能な計算機システム:HPC-IaaS

動的再構成可能な計算機システム:HPC-IaaS

提案システムの計算資源利用率向上に対する有効性を確認

大阪大学サイバーメディアセンターの計算機システムVCCの構成を元に行ったシミュレーションでは、動的再構成により27%の平均CPU利用率の向上、39%の平均GPU 利用率の向上,50%の計算完了時間の短縮を確認した。今日の計算機システムの計算資源利用率は仮想化により60%程度とされている。動的再構成によって計算資源利用率を今日の水準まで改善できる見通しを得た。

リソース利用率の向上と計算処理スループット向上

リソース利用率の向上と計算処理スループット向上

リソース利用率の向上と計算処理スループット向上